骨粗しょう症の対策や予防として重要な、栄養素について
カルシウムの働き
カルシウムは、骨や歯の形成といった、骨粗しょう症対策の重要な要であるだけでなく、さまざまな身体の機能に関与している重要なミネラルです。
欠乏すると、成長が充分にできなくなります。骨や歯が弱くなります。
骨粗しょう症の予防と改善のための食生活でまず重要とされるのは、骨や歯を形成するためのそもそもの材料であるこのカルシウムを充分に摂取し、摂取したカルシウムを骨に蓄積、沈着させるために必要なビタミンDを充分に取り入れることです。 カルシウムは、ミネラル(無機質)のひとつです。ミネラルは、体内にわずか5パーセント含まれるにすぎません。しかしビタミンと同様、重要な生理機能を担っています。しかも体内では合成できないため、食べ物から取り入れる必要があります。 カルシウムは、99パーセントは、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムとして歯や骨の成分として存在します。残りは血液、筋肉、神経などの組織にイオンやさまざまな塩として含まれています。
(Caの作用) 血液の凝固作用や心筋(心臓の筋肉)の収縮作用、刺激に対する神経の感受性を鎮静化する作用、さらに酵素作用を活性化する働きもあります。
(含まれる食品) 乳製品や緑黄色野菜、煮干や干しえび、および大豆、大豆製品に多く含まれます。
(過剰症) カルシウムを過剰に摂取すると、結石の原因になったり、ほかの無機質の吸収を阻害することがあります。またミルクアルカリ症候群の原因にもなります。
(カルシウムの吸収を助ける酢の働き) 新約聖書には、病人に水の代わりに酢を与えたという話がありますように、酢は、昔から健康食品として知られています。それは、酢には、疲労回復の特効
薬といわれるクエン酸をはじめ、酸味のもとになる60種類以上の有機酸が含まれてるからです。また、酢に含まれる、酢酸は、食品中のカルシウムを引き出し、吸収しやすい酢酸カルシウムにする作用があり、骨粗しょう症の予防や改善に効果があります。 骨粗しょう症対策に酢を食生活にうまく利用する方法を取り入れるとよいですね。
リンとマグネシウムの働き
骨粗しょう症の予防と症状の改善に大きく関与する無機質は、カルシウムだけではありません。リン、そしてマグネシウムもカルシウムと同様、骨や歯の形成に重要な無機質です。
では、リンとマグネシウムはどういう点で重要なのでしょうか?
リン80パーセントは、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムとして骨や歯の形成に預かります。残りの20パーセントは、体液や組織中に含まれ、血液のphや体液の浸透圧の調整をします。不足すると歯や骨が弱くなり、骨粗しょう症を招き、骨折を起こしやすくなります。 ただし、リンは日常生活に充分に含まれており、欠乏や不足するということはほとんどありません。かえって取りすぎると、カルシウムの吸収を悪くします。近年、インスタント食品をとりすぎる傾向が、特に若い人たちにみられるようになり、とりすぎのほうが懸念されています。
(含まれる食品) 穀物や肉類に多く含まれ、また加工食品や卵黄、煮干などに多く含まれています
(過剰な場合) カルシウムの吸収を悪くします。
体にあるマグネシウムの50パーセントから60パーセントは、骨に含まれています。残りは血液、筋肉、脳、神経に存在します。このMgが欠乏すると血管が拡張して、充血を起こします。心悸亢進を招きます。また下痢を起こしたり、神経が興奮しやすくなります。
(含まれる食品) 主に、穀類や海産物、ゴマなどの種実類に含まれます。
ビタミンDの働き
骨粗しょう症の予防と改善には、毎日の食事のなかでカルシウムを充分に摂取するだけでなく、いかにCaを効率よく摂取、吸収、沈着させるか、ということが大切になります。
ビタミンDはこの、カルシウムの骨への沈着、を助ける役割をするのです。
(ビタミンDの働き) ビタミンDは、体内の石灰とリンの代謝を調整し、骨をつくるのに関与します。これが欠乏すると、歯の発育が悪くなし、骨は軟化します。骨粗しょう症の原因となるのです。
また、年中、日光のあたらない場所にいると、ビタミンD不足症、いわゆる「セムシ」という症状を起こします。日本では、冬にほとんど日光をみない北陸地方に多くみられます。 人間の皮膚は、日光や紫外線にあたるとビタミンDをつくる作用があるのですが、曇りがちであったり、冬に雪の多い地方では、日光にあたることが少ないので、ビタミンDが不足するのです。
(含まれる食品) ビタミンDは、脂肪に溶けるため、ビタミンAといっしょに魚の肝臓、肝油、バター、卵黄などに多く含まれます。またきのこ類や酵母には、
ビタミンDの前身のエルゴステリンが含まれており、紫外線にあてるとビタミンDに変わります。和え物やスープに、しいたけを、特に干ししいたけをちょっと加えてみてはどうでしょう?
生活内容と骨量の変化--最大骨量の時期を遅らせるには
人間の骨量は、骨格の成長とともに20歳ぐらいまでぐんぐん増加します。成人期にピークを向かえ、その後、中高年期になると徐々に減少していくケースが一般的です。したがって、高齢になって骨粗しょう症にならないためには、この成人期のピークをいかに高くもっていくか、ということと、中高年期以降の下降をいかに食い止めるか、が大切なポイントになります。だから、生活の中のあり方が重要なようですね。
もっともカルシウムを多く必要とし、成長しなければならない少年期や青年期に無理なダイエットをしたり、過度の運動をすると、高めなくてはならないピークが、低いままで終わってしまうことになります。 また、おやつにスナック菓子ばかりを食べていると、スナック菓子をはじめとする加工食品に多く含まれるリンがカルシウムの吸収を妨げてしまいます。 また、女性の場合、閉経期以降に骨量が減少します。ここで日ごろの生活をいかに過ごすかでも、「骨粗しょう症危険度」が格段に違ってきます。
食事でカルシウムを摂取することはもちろん大切ですが、家に閉じこもってばかりいて、身体を動かさないと、せっかく摂取したカルシウムを骨に蓄えることができません。また、アルコールの飲みすぎは、カルシウムの吸収を悪くするだけでなく、カルシウムの吸収を助ける働きをするビタミンDの作用を抑えてしまいます。
したがって、成長期には少しでもピークを高くするためにカルシウムの摂取とその定着に留意し、40歳をすぎたら、今度はせっかく高めたピーク時の骨量を減らさないように、またできることなら
さらに高めるくらいの気持ちで骨粗しょう症対策に取り組みましょう。 *成人期のピークの骨量を「ピーク・ボーン・マス=最大骨量」といいます。
カルシウム摂取のポイントと注意点
骨粗しょう症の予防と改善には、カルシウムの摂取が大切なことは、よく知られています。 では、どのようにしたら充分な量のカルシウムを摂取できるのでしょうか? 摂取量だけでなく、効率よく吸収するためにはどうしたらいいのでしょう? カルシウム以外には、どのような栄養素が必要なのでしょうか?
以下に、食生活という面での、骨粗しょう症対策の注意点をあげてみましょう
1.カルシウムを充分に摂取しましょう・・・なんといっても、骨を作る材料となるカルシウムの摂取は非常に重要です!カルシウムを多く
含む食品は、乳製品、魚介類、緑黄色野菜、海藻、大豆製品です。 2.ビタミンDでカルシウムの吸収を助けましょう・・・カルシウムの吸収
を助けます。通常、戸外に出る生活をしていれば、日光にあたることで皮膚で作ることができます。 3.たんぱく質の摂取は適量にしましょう・・・たんぱく質のとりすぎは、カルシウムの利用を悪くします。 4.塩分の取りすぎに注意します・・・塩分の取りすぎはカルシウムの
利用を悪くします。 5.アルコールの摂取はほどほどにしましょう・・・アルコールの飲みすぎは、カルシウムの吸収の妨げになります。 6.加工食品の摂取に注意しましょう・・・加工食品(ハムやソーセージ、インスタント食品、スナック菓子)にはリンが多く含まれています。
リンの取りすぎはカルシウムの吸収を妨げます。 7.カルシウム強化食品をうまく利用しましょう・・・「カルシウム入り」と表示された補助食品を利用するのも一考です。